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注文住宅の費用の話で、いちばん情報が少ないのが外構だと思います。
総額はよく見かけます。「外構は建物の1割」という目安もよく聞きます。でも、その中身が何にいくら使われているのかを項目ごとに公開している記事は、ほとんど見当たりませんでした。我が家が予算を組むときに一番困ったのがここでした。
我が家は外構に約450万円かけました。この記事では、その内訳を全項目公開します。
先に、意外だった2つのことを書いておきます。
ひとつは、同じ図面で相見積もりを取ったら156万円の差が出たこと。しかも安かったのはハウスメーカー経由のほうでした。「ハウスメーカー経由は中間マージンが乗るから高い」という話をよく聞きますが、我が家では逆の結果になりました。
もうひとつは、一番高かった項目が、1年住んでみて一番効いていること。最大の費目は駐車場でもテラスでもありませんでした。そして金額だけ見れば真っ先に削りたくなるその項目が、いまの暮らしを一番快適にしています。
外構費は「建物の1割」でいいのか
我が家の内訳はこうなっています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 本体+付帯工事 | 約4,200万円 |
| 外構工事 | 約450万円 |
| 諸費用 | 約300万円 |
外構費は建物費用の約1割でした。よく言われる目安とほぼ同じです。
ただ、この数字をそのまま自分に当てはめるのは危ないと思っています。我が家は土地が約50坪で、建物が約40坪。差し引きで外構に使える面積が広く、その分テラスや植栽にお金をかけられました。逆に言えば、土地に対して建物が大きければ外構の面積は減り、金額も下がります。
つまり「建物の1割」は結果論であって、予算の根拠にはなりません。面積と、そこに何を作るかで決まります。 だから内訳が要るわけです。
総額の全体像についてはアキュラホームの坪単価・総額・費用公開にまとめているので、家全体の費用感を知りたい方はそちらもどうぞ。
450万円の内訳(全項目公開)

金額の大きい順に並べます。以下はすべて税抜の金額です。合計に消費税を加えると、税込で約453万円になります。見積もりは2024年9月、施工は約1か月半でした。
| 項目 | 金額(税抜) |
|---|---|
| 袖壁(目隠しの壁・タイル貼り) | 約115万円 |
| 駐車場(並列3台・土間コンクリート 約47㎡) | 約89万円 |
| タイルテラス(約21㎡・立水栓つき) | 約70万円 |
| フェンス(北・東・西の3面) | 約42万円 |
| 玄関階段(3段・タイル貼り) | 約25万円 |
| 機能門柱(インターホン内蔵) | 約21万円 |
| 植栽 | 約20万円 |
| 照明(ポールライト3基・自動点灯) | 約18万円 |
| 掘削・鋤取り | 約14万円 |
| その他(スリットライン・防草シート・表札・産廃処分など) | 約46万円 |
| 値引き調整 | 約-48万円 |
| 合計(税抜) | 約412万円 |
表にしてみると、上位3項目で全体の3分の2を占めていることが分かります。外構の金額は、細かい項目の積み上げではなく、大きい3つで決まります。
一番高かったのは駐車場ではなく「壁」でした
私は見積もりを見るまで、外構で一番高いのは駐車場だと思っていました。コンクリートを広い面積に打つので、そこが最大だろうと。
実際は違いました。最大の費目は袖壁の約115万円です。駐車場より26万円高い。
袖壁というのは、リビングの前に立てた目隠しの壁のことです。庭の一部を囲うように立っていて、道路や歩道からの視線を遮ります。
なぜこれが最大になったのか。理由はタイルでした。
我が家はこの壁の表面にタイルを貼っています。タイルの単価は1㎡あたり約2万円。壁の面積が約29㎡あるので、タイル貼りだけで約60万円。これに下地となるブロック積みが約50万円かかり、合計で115万円になりました。
そしてタイルは、この壁だけに使ったわけではありません。
| 場所 | タイルの面積 |
|---|---|
| 袖壁 | 約29㎡ |
| タイルテラス | 約21㎡ |
| 玄関階段 | 約9㎡ |
| 合計 | 約58㎡ |
1㎡あたり約2万円ですから、タイル貼りの費用だけで約122万円。外構総額の約27%です。
ここが外構費の構造だと思います。面積の大きい場所に、単価の高い素材を選ぶと、そこが最大費目になる。 駐車場のコンクリートは1㎡あたり約1万円で、タイルの半分です。面積は駐車場のほうが広いのに金額が逆転したのは、単価の差でした。
見積もりを見るときは、金額そのものより 面積 × 単価 で見ると、どこが効いているかが分かります。そして削るかどうかを判断するときも、「面積を減らす」のか「素材を変える」のかで効き方が違います。
駐車場にかかった約89万円の中身
2番目に大きい駐車場も分解しておきます。車を並列で3台停められる広さで、約47㎡です。
| 内容 | 金額(税抜) |
|---|---|
| 土間コンクリート打設 | 約49万円 |
| 残土処分 | 約17万円 |
| 砕石敷き・転圧 | 約11万円 |
| 地先ブロック | 約4万円 |
| 残土の運搬 | 約3万円 |
| スリットライン(コンクリートの目地) | 約3万円 |
| ポンプ圧送 | 約1万円 |
見落とされやすいのが残土処分と運搬で合計20万円かかっていることです。駐車場を作るには、まず地面を掘って土を出し、砕石を敷いて転圧してからコンクリートを打ちます。この掘った土を処分する費用が、意外と大きい。
「コンクリートを打つだけ」と考えていると、この部分が見積もりに乗ってきたときに驚きます。実際、後述する相見積もりでは、ここが「別途」扱いになっていました。
同じ図面で相見積もりを取ったら、156万円の差が出ました
我が家は外構で2社から見積もりを取りました。ハウスメーカー経由と、外構専門業者です。同じ図面、同じ仕様で比較しました。
結果はこうです。
| 依頼先 | 見積額(税込) |
|---|---|
| ハウスメーカー経由(採用) | 約453万円 |
| 外構専門業者 | 約609万円 |
差は156万円。率にして34%でした。
正直、この結果は想定と逆でした。家づくりの情報を集めていると「外構はハウスメーカー経由だと中間マージンが乗るので割高。専門業者に直接頼んだほうが安い」という話をよく見かけます。我が家もそのつもりで相見積もりを取りました。
さらに言うと、この156万円は最小の差です。専門業者側の見積書には、こういう条件がついていました。
- 駐車場・アプローチ部の掘削および残土処分費用は別途
- 化粧ハッチは別途
- 左官工事のトップコート仕上げは別途
前の章で書いたとおり、駐車場の掘削と残土処分だけで20万円規模の費用です。これが別途ということは、実際に発注していれば差はさらに広がっていたことになります。
見積もりを比べるときは、総額だけでなく「別途」と書かれている項目を必ず数えてください。同じ図面でも、どこまで含むかが違えば総額は簡単に逆転します。ここは本体工事の相見積もりでも同じで、アキュラホームを4社で相見積もりした話でも同じ落とし穴に気をつけていました。
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「外構をどこに頼めばいいか分からない」という方には、住宅購入相談サービス「すまいのいろはPlus」もおすすめです。注文住宅に詳しいアドバイザーに無料で相談でき、外構を含めた総額の考え方や、見積もりを比べるときの判断軸を第三者目線で整理してもらえます。我が家のように「この金額が妥当か分からない」段階の最初の一歩に向いています。
【家を考え始めたら】すまいのいろはPlusなぜ通説と逆の結果になったのか
ここからは推測が混じります。断定はできないので、我が家の条件ではこう考えている、という話として読んでください。
理由として考えられるのは3つあります。
ひとつは、本体工事と同時に発注したことです。外構工事には重機の回送費、仮設費、残土処分といった「現場を動かすための費用」がかかります。建物の工事と時期が重なれば、この部分を共有できます。専門業者に単独で頼めば、すべて外構工事だけのために計上されます。
ふたつめは、一部が「先行外構」として建物側で処理されたことです。我が家の見積もりには、フェンスの基礎になるブロックの一部が先行工事として建物工事の側に入っていました。境界まわりの工事は建物の基礎工事と一緒にやるほうが効率がよく、その分が外構の見積もりから外れます。
みっつめは、値引き調整が本体の契約とセットで効いた可能性です。採用した見積もりには約48万円の調整(値引き)が入っています。これが外構単独の値引きなのか、本体契約を含めた全体での調整なのかは、私には分かりません。ただ、同時発注だからこそ出せた金額という面はあったのだろうと思っています。
そのうえで、これは我が家の条件での結果にすぎません。土地の形、建物との工期の重なり方、業者の得意分野によって、簡単に逆転する話だと思います。
だから結論はシンプルで、取ってみないと分からないです。「ハウスメーカー経由は高い」も「専門業者のほうが安い」も、どちらも一般論としては成立しません。2社に同じ図面を渡して見積もりを出してもらうだけで、我が家の場合は156万円の判断材料が手に入りました。かかった手間は打ち合わせ2回分です。
1年住んで、一番高かった袖壁が一番効いています
ここからは1年住んでの評価です。
結論から書くと、外構にお金をかけて正解でした。 そして一番効いているのが、最大費目だった袖壁です。
この壁は高さが約1.7mあります。歩いている人の目線より高い。その結果、道路側からリビングの中がまったく見えません。
これが何を変えたかというと、リビングのカーテンを基本的に開けっ放しにできるようになりました。
住んでみるまで、これがここまで効くとは思っていませんでした。カーテンを閉めた部屋と開けた部屋では、日中の明るさも、外の緑の見え方も、部屋の広さの感じ方も違います。閉めっぱなしの生活と比べると、同じ間取りでも体感がかなり変わります。
庭の使い方も変わりました。夏に子どもをプールで遊ばせるとき、BBQをするとき、視線がまったく入らない。囲われた空間なので、道路を気にせずに過ごせます。庭に出るハードルが下がったぶん、実際に使う頻度が上がりました。
115万円という金額だけを見れば、予算を削るときに真っ先に候補に挙がる項目だと思います。壁ですから、無くても生活はできます。実際、我が家も見積もりを見たときは「ここを削れば100万円浮くな」と一瞬考えました。
でも1年住んでみて、外構で一番削ってはいけなかったのがここだったと思っています。駐車場やアプローチは無いと生活が成り立たないので必須ですが、それらは「あって当たり前」で、日々の満足度を押し上げるものではありません。袖壁は、無くても生活はできるのに、毎日の快適さを確実に上げているという意味で、費用対効果が一番高かった項目でした。
外構・テラスのデザインは、家全体の満足度としても上位に来ています。このあたりはアキュラホームで建てた1年後の正直レビューにも書きました。
その他の項目は1年後どうなったか
残りの項目についても正直に書いておきます。
植栽(約20万円)は、思ったより手間がかかっていません。 やっているのは季節ごとに雑草を抜くことと、伸びた枝葉を切ることくらいです。毎週何かをしなければならない、という状態にはなっていません。
冬は落ち葉が出ます。ただ、これは子どもと一緒に拾う家事になっていて、負担というより季節の行事に近い感覚です。植栽を入れると管理が大変だという話はよく聞きますが、量と樹種によるのだと思います。我が家の規模なら想定内でした。
駐車場のタイヤ痕は、ほとんど気になりません。 仕上げを刷毛引きにしたためだと考えています。刷毛引きはコンクリートの表面に細かい筋目を付ける仕上げで、つるつるした仕上げに比べて汚れが目立ちにくい。滑りにくいという利点もあります。
コンクリートは汚れるものだと聞いていたので身構えていましたが、1年経った時点で「掃除しなければ」と思ったことはありません。
照明(約18万円)は毎日点いています。 日没後に自動で点灯する設定にしていて、こちらが操作することはありません。
夜に帰宅したとき、家の前が明るいというのは思っていたより気分がいいものです。実用面でも、暗がりが減るので防犯の面で多少は効いているだろうと思っています。効果を数字で示せるものではありませんが、付けてよかった項目です。
これから外構を考える方へ
我が家の経験から、4つだけ挙げます。
相見積もりは必ず取ってください。 同じ図面で34%の差が出ました。どちらが安いかは条件次第で変わるので、通説を信じずに実際に出してもらうのが確実です。打ち合わせ2回分の手間で、100万円単位の判断材料が手に入ります。
「別途」と書かれた項目を必ず数えてください。 総額が安く見えても、掘削や残土処分が別途になっていれば実際の支払いは変わります。見積書の条件欄は、金額の表よりも先に読む価値があります。
面積 × 単価で当たりを付けてください。 外構の金額は上位3項目でほぼ決まります。そして単価が高いのは、たいてい素材です。タイルはコンクリートの約2倍でした。削るときも「面積を減らす」のか「素材を変える」のかで効き方が違います。
目隠しは最初から入れることをおすすめします。 後から足すこともできますが、基礎から作り直すことになるので割高になります。そして我が家の実感では、日々の暮らしへの効き方が外構の中で一番大きい項目でした。
外構は建物の打ち合わせが一段落した後に検討することが多く、疲れて判断が雑になりがちな領域です。ただ金額としては数百万円規模で、しかも毎日目に入る場所です。注文住宅を建てる前に確認しておきたいことにも書きましたが、予算は最初から外構を含めた総額で考えておくと、後半で慌てずに済みます。
複数の会社に相談して見積もりを見比べると、金額だけでなく提案の引き出しの違いも見えてきます。我が家も2社に同じ条件で出してもらったことで、判断の軸ができました。
外構まで含めた総額で提案してくれるかどうかは、早い段階で見えてきます。複数社にまとめて要望を伝える
まとめ
我が家の外構450万円を振り返って、結論は3つです。
「外構は建物の1割」は目安であって、根拠ではありません。 面積とそこに何を作るかで決まります。内訳を知らずに1割で予算を組むと、後で削る場所を間違えます。
相見積もりを取ってください。 同じ図面で156万円、34%の差が出ました。しかも通説とは逆に、ハウスメーカー経由のほうが安かった。取ってみるまで分かりません。
削る場所と守る場所を分けてください。 我が家で一番高かった袖壁は、金額だけ見れば真っ先に削る候補でした。でも1年住んで、一番効いているのがそこでした。金額の大きさと、暮らしへの効き方は別の話です。
家全体の費用感は坪単価・総額・費用の記事に、住み心地の総合的な評価は1年住んだ正直レビューにまとめています。あわせて読んでいただければ、我が家がどこにお金をかけてどこを削ったかの全体像が見えると思います。
(金額はいずれも2024年9月時点の見積もりに基づくものです。内訳は税抜、総額は税込で記載しています。仕様・面積・地域・時期によって費用は変わります)


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